書評 一覧

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ブッシュマン、永遠に:変容を迫られるアフリカの狩猟採集民2017年09月16日 22:40




書評:700万年間続いた人類の生活は、こんなにも充実した楽しい生活であったのかと思わせる描写から始まって「近代化」による変容を描くことに重点を置いた本書は、日本のブッシュマン研究者たちの紹介にもなっている

いってみれば、彼らの頻繁な移動生活は、お気に入りのごちそうをつまみ食いして歩く生活なのであり、移動のサイクルを一巡して戻ってくるころには、すでに自然の食卓はもと通りに復元しているのである。

ハイン 地の果ての祭典: 南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死2017年09月12日 18:33




書評:伝統文化の記憶を持つセルクナムの最後の人びとと交流し、記録を残し、生涯を通じてその文化の研究と紹介に取り組んだ著者が、残された記録やセルクナムの末裔たちの話などから儀式「ハイン」の様子を復元

生と幻想に満ち、ハレの場であり楽しみだったハイン――あのハインの創造的な儀式や劇が表現していたものが、新しい生活にはかけらもない。羊牧場の仕事は日課であって文化ではない。それは生き方として不完全で、何かが欠落していた。

ヒトと文明 ──狩猟採集民から現代を見る2017年08月22日 20:46




書評:83歳の人類学者はゴーギャンの絵を引いて、人類学は「我々はどこへ行くのか」を探求するという。彼が狩猟採集民を持ちだす意味を知って欲しい。

人類が「未開(野蛮)」から「文明」の状態へと「進歩」したとの歴史観は、今でも一般の人々の心に根強くひそんでいる。しかし、人類学ではそのような思想を決して認めず、先史考古学や進化生物学等の科学的根拠を重視して、文明を地球史上の中のきわめて特殊な現象として理解しようとする。これは、人類学の使命といってよい。

神話伝説辞典2017年08月19日 19:00

  
  
神話伝説辞典朝倉 治彦
  
  


書評:普段から交流のある国文学、民俗学、神話学を先行する四人の学者が共同で編集したこの辞典で、この地の人々が伝承してきた重要な知識を綜合的に振り返る

この辞典にとりあげた神話、説話、伝説、昔話などは、それぞれの分野においては研究も進み、かなりの成果も挙がっているが、世界的な視野からする日本神話の研究と、文献記録にもとづく説話研究と、もう一つは基層文化の中でとらえようとする口承文芸研究とは、必ずしも十分な提携交流がおこなわれているとは言いがたい。

「阿修羅」の呼吸と身体―身体論の彼方へ2017年05月27日 22:35

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書評:脳化社会などと言って澄ましてはいられない現代人にとって、これはなかなか大変な本だ。

やがて"般若"の思想、"空"の思想と呼ばれる初期大乗仏教が興りこの考え方を厳しく否定することになる。"言葉"に対応する実体的な存在などあり得ないというのである。